どうやら正式に決定したようで。
各地で侃々諤々の議論が交わされている様子。
ただどうも議論が視野狭窄しているように感じてしまう。

「僅かな確率でも体に悪いものは食べたくない」
「自己判断しようにも情報が無いので判断出来ない」
「偽装される可能性もある」

輸入反対派の意見をザックリとまとめればこのようになる。
一見どれも間違っていない意見に見えるが、実はそうではない。

例えば中国産の野菜や魚介類等が非常に危険なのは広く知られている。
国内産の1/2〜1/3と言う安さで購入出来るため、家庭は元より
外食産業や加工食品産業でも広く使われているのは想像に難くない。
「米牛が使われているかもしれないからもう加工食品は買えない」
と言う人は中国産の原材料に関してはどうでもいいと考えているのだろうか?
木を見て森を見ず。食品の安全をどうこう言うのにさも米国産牛だけが
唯一の問題であるかのように考えるのは間違っているだろう。

断っておくが、私は「どの道危険なのだから米国産牛も気にせず食べろ」
などと言うつもりは毛頭無い。危険は出来るだけ避けるべきなのは当然だ。
だが、日本の食料自給率を考えれば輸入再開は時間の問題だったと言えるだろう。
諸外国にとって日本への食料輸出が日本に対する効果的な外交手段として
扱われている事、それ自体が日本の抱えている根本的な問題だ。
「持たざる者」が不利な立場に立たされるのは当然であり、
今日の状況を作り出したのは漁業を嫌い、農業から離れ、
畜産業に目を向けようとしなかった我々国民に他ならない。
国民が身勝手な事ばかり言うのは今に始まった事ではないが、
小泉首相の「食べるか否かは各自の判断で」と言うのは同意せざるを得ず、
首相の心労を思うと頭が下がるばかりである。

もし本当に国民が危険な食物を拒絶しているのならば、
国産を謳う事に新たな商品価値が生まれ、その様な商品が増えるだろう。
ただそれは一朝一夕で出来る事ではなく、安全を求める国民の
不断の声が必要不可欠である事は言うまでも無い。
日本人はとかく「喉元過ぎれば〜」と言う性質が強いが、
はたして今回はどうだろうか。

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