一緒に入れると非常に動きがぎこちなくなる。
何故だか色々考えてみた。

殆どのカードには自身が最も輝く「旬」がある。旬のカードを使えば見た目より遥かに強力なパフォーマンスを発揮するし、旬を逃せば強いはずのカードも大した効果を発揮しないものだ。
例えば《ジャッカルの仔/Jackal Pup》は長らく最強の1マナクリーチャーとして君臨していたが、8ターン目辺りにジャッカルをドローした時のがっかり感は赤単ビートダウンを使ったことのある誰もが経験した事だろう。ジャッカルの旬は第1ターン目であり、ターンが経過する程に加速度的に旬が過ぎていくカードの代表格だった。

「旬」は一見するとマナカーブと似ているが、明らかに異なる概念だ。例えば3マナのカードであっても、それを3ターン目にプレイする事が必ずしも正しいとは限らない。もっと遅いタイミングで「旬」の訪れるカードも多いのだ。

上手に作られたデッキは全てのカードについて「旬」を十分に満喫出来るよう作られている。どのカードがどのタイミングでプレイされるべきなのかを十分に把握し、それらが同一ターンに干渉しないよう構築されたデッキは回していて非常に気持ちが良い。逆に「旬」が互いに干渉しあうデッキは回していてグダグダになる事が多い。

ここで《苦花/Bitterblossom》と《Hymn to Tourach》について考えてみると、双方共に旬は2ターン目だと言う事に気づく。(《暗黒の儀式/Dark Ritual》経由で1ターン目に云々と言うのは置いとく。)旬の劣化性がジャッカルの仔ほど極端では無いために見落としがちだが、この2枚は旬がだだ被りしているのだ。

それだけではない。そもそも苦花とHymnは何故強いのか?
苦花の強さは1枚でクリーチャーが無尽蔵に生成される事、つまり対戦相手のタフネス1クリーチャーとクリーチャー除去が実質的な無駄カードになると言う点にある。1枚のカードでクロックの生成と相手に無駄カードを抱えさせると言う二つの仕事をこなすからこそ苦花は強いのだ。

一方、Hymnの強さはわずか2マナで対戦相手の有効牌を2枚も奪う事にある。先手2ターン目にプレイしたHymnで対戦相手の土地を2枚落とした時など脳汁が溢れそうになる。逆に8ターン目辺りにプレイしたHymnで土地を2枚落としても( ´_ゝ`)フーンと言った感じで全く嬉しくない。つまり、相手の手札がこちらにとって脅威で溢れている程にHymnは強力になるのだ。

そしてこの構造が決定的矛盾を生み出す。
苦花は相手に無駄カードを抱えさせる。無駄カードが溜まった相手の手札は「薄い」手札となり、脅威度は下がる。脅威度が下がればHymnでハズレを引く確率がそれだけ上がると言う訳で、
苦花がHymnの良い所をすべて奪っているのだから相性が悪いのも当然だ。

逆に《強迫/Duress》や《思考囲い/Thoughtseize》は苦花と非常に相性が良い。安全確認→苦花と言う流れがマナカーブに沿って行える上に、苦花によって薄くなった相手の手札から数少ないクリティカルなカードを狙い撃ちで落とす事が出来る。惚れ惚れするようなかみ合いっぷりだ。

このように、カードの旬と自身の旬±1ターンの旬を持つカードとの間には相性の良いものが多い。こうした組み合わせを色々と探してみるのも面白いかもしれない。

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