第10版考察 その1

2007年7月3日
・はじめに
この考察は非公式スポイラーに基づいて書かれた、あくまでも仮定の文章です。蓋を開けてみたら全然違っていたなどと言う可能性も十分にありえますのでご了承下さい。

■第10版で失われたもの■

ウルザトロン王朝の終焉
その圧倒的な強さと爆発力でスタンダードを支配し続けてきた暴君。4マナ余計に出るという事は4枚分のカード・アドバンテージを得ていると言う事であり、また4ターン先を動いていると言う事です。余りの理不尽さに「トロンゲー」等と揶揄されてきた王者もついに終わりの時を迎えました。《歯と爪/Tooth and Nail》デッキに始まり最新型イゼットロンに至る現在まで、スタンダードをプレイすると言う事は常にトロンを意識すると言う事を意味してきましたが、今後はもうあの忌まわしい無色土地に怯える心配はありません。

トロンの脱落によって《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》や《悪魔火/Demonfire》と言った大量マナが前提であるパワーカードは環境から少なくなり、《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》や《黒き剣の継承者コーラシュ/Korlash, Heir to Blackblade》と言ったコストパフォーマンスに優れる手ごろなマナ域のカードが頻繁に登場するだろうと言う事は想像に難くありません。

コンボデッキの受難
《手練/Sleight of Hand》《煮えたぎる歌/Seething Song》と言ったカードを失い、ドラゴンストームはもはや存在が危ぶまれる程に弱体化しました。ドローとマナ加速はコンボデッキの両輪であり、その両方を捥がれたとあっては今までのような爆発的パワーを発揮する事は不可能でしょう。今後もドラゴンストームデッキが生き残るとすれば、それはよりコントロール面にシフトした「即死コンボが出来る可能性もあるコントロールデッキ」と言う存在としてだと思います。

また、《よりよい品物/Greater Good》の脱落によってナルコブリッジ(グレーター・ブリッジ)も弱体化を余儀なくされました。もはや一瞬の隙を見つけ出して辻斬りする事は難しく、ルーターを真面目に起動し続けるタイプに戻らざるを得ないでしょう。また、環境に《真髄の針/Pithing Needle》が加わった事で共鳴者が封じられやすくなった事も問題です。共鳴者+土地+墓トロールでキープすると言った戦法はこれまで以上にリスキーな物になるでしょう。

赤リセットの不在
《燎原の火/Wildfire》の脱落は多くのコントロール・プレイヤーを泣かせました。まだ《溶鉄の災難/Molten Disaster》があるのはたしかですが、自分自身にダメージが入るのも厳しいですし、それ以上に相手のマナを縛れないと言うのが辛すぎます。黒も白も入っていないコントロールデッキと言うのは相当作りづらくなるのではないでしょうか。

密林への帰還
グルールデッキの大黒柱を務め続けた《密林の猿人/Kird Ape》も惜しまれながら引退しました。代わりに《モグの狂信者/Mogg Fanatic》が入ってきましたが、グルールと言うデッキがそれまで持っていた「《紅蓮地獄/Pyroclasm》への耐性」と言う大きなメリットは揺らぐ事になってしまいました。しかしながら《モグの狂信者/Mogg Fanatic》と《タルモゴイフ/Tarmogoyf》との相性は特筆すべきものであり、他の各デッキが失ったものに比べればビートダウンはかなり恵まれていると言えるでしょう。

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