9版発売後のスタンダード考察
2005年7月27日GP新潟も終わり、限定構築の季節もひとまず終わりになったのでここらで9版施行後のスタンダードについて考えてみたいと思います。《すき込み/Plow Under(8ED)》の退場によりトロンの1人勝ちが囁かれておりますが果たしてどうなるでしょうか。
●既存デッキの戦力変化
まず最初に現在スタンダードで活躍している各デッキがどのような変化をしていくのか考えて見ましょう。
緑単トロン
得たもの:特に無し
失ったもの:特に無し
緑単トロンは特に変化しなかった模様です。ですがこれは「強くならなかった」と考えるよりも「弱くならなかった」と考えるべきでしょう。特にウルザ地形が9版に残った事は多くのトロニストにとって素晴らしい僥倖であると同時に、他のプレイヤーにとっては悪夢でしかありません。
青単トロン
得たもの:《手練/Sleight of Hand(7E)》《道化の帽子/Jester’s Cap(9E)》
失ったもの:特に無し
緑単トロンと並び称されるスタンダードの大本命である青トロンは新たなドローカードとライブラリー破壊を手に入れました。手練は血清の幻視と比べ、掘れる枚数や独楽との相性の点でやや劣りますが、道化の帽子は非常に強力な同系対策カードとなりうるカードと言えるでしょう。ただでさえ強かった青トロンがこれ以上強くなってしまってはもはやどうする事も出来ないかもしれません。
緑単CO
得たもの:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(7E)》
失ったもの:《極楽鳥/Birds of Paradise(8ED)》《すき込み/Plow Under(8ED)》
何一つ失う物のなかったトロンと比べ、かなり悲惨な目に会っているのが緑単COです。極楽鳥の退場はラノワールのエルフの再来を考えればむしろ歓迎すべき事なのですが、すき込みの退場が余りにも痛すぎます。これによってCO得意のパターンだったすき込みハメが出来なくなり、ただの緑単ビートダウンになってしまいました。はたして《忍び寄るカビ/Creeping Mold(8ED)》や《刈り取りと種まき/Reap and Sow(DST)》はこの隙間を埋める事ができるのでしょうか?
青単コントロール
得たもの:《手練/Sleight of Hand(7E)》《連絡/Tiding(9E)》《流砂/Quicksand(VI)》
失ったもの:《集中/Concentrate(8ED)》
青単コントロールもあまり動きは無いようです。たしかに集中は強力でしたが、メタ的にも《呪師の弟子/Jushi Apprentice(CHK)》の方が有用でしたし、《泥棒カササギ/Thieving Magpie(8ED)》も残っています。むしろ青単コントロールにとって最も不運だったのはお客様であるCOの弱体化と、天敵である青単トロンの隆盛ではないでしょうか。流砂の採録はすぐに影響を与えるわけではありませんが、ミラディンが落ちた後のスタンダードではよく見かける事になるでしょう。
黒単コントロール
得たもの:《残酷な布告/Cruel Edict(9E)》《惑乱の死霊/Hypnotic Specter(9E)》《流砂/Quicksand(VI)》《魂の消耗/Consume Spirit(MRD)》《脅迫状/Blackmail(ONS)》
失ったもの:特になし
今回最も多くの僥倖を手に入れたのは間違いなく黒です。《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena(8ED)》や《迫害/Persecute(8ED)》と言った主要カードが何も落ちなかった上に、採録カードが素晴らしく優秀です。残酷な布告は手薄だった序盤の除去カードとして重宝される事が容易に想像できますし、魂の消耗はミラディンが落ちた後の黒を強力にサポートします。脅迫状は地味なカードに見えますが、あの当時と違い今の黒には1マナ圏のカードが非常に枯渇しており、このマナカーブを埋める上で非常に重要なカードになってくる事でしょう。流砂の登場も歓迎すべきです。しかしなんと言っても最大の僥倖は我らがヒッピーこと惑乱の死霊が再録された事に尽きます。暗黒の儀式こそ無いものの、金属モックス経由での2ターン目ヒッピーは多くの対戦相手を震え上がらせる事でしょう。そうそう、緑の弱体化によってアーティファクトが破壊される確率が相対的に減った事は黒にとって非常に喜ばしい事です。
赤単ランデス・バーン
得たもの:《燎原の火/Wildfire(UZ)》《猛烈に食うもの/Magnivore(OD)》《ラースのドラゴン/Rathi Dragon(TE)》
失ったもの:《沸騰/Boil(8ED)》
赤単も非常に強化された色である事は間違いありません。特にランデスデッキは何も失った物が無い上に燎原の火と猛烈に食うものと言う二大スターを手に入れる事に成功いたしました。序盤に出てくるラースのドラゴンも決して侮る事はできません。特に赤単同士のミラーでは往年のプロツアーシカゴを彷彿とさせるような空中の支配を見せてくれる事でしょう。沸騰が沸き立つ海になってしまったのは非常に残念ですが、これも猛烈に食うものを強化するためだとポジティブに考える事も赤単使いには必要なのかもしれませんw
●新入注目カード達の考察
9版では大変動と呼んでいいほどの革新が行われました。ここでは9版に新しく入ってきたカード達の考察をしてみたいと思います。
各種ダメージランド
筆頭はなんと言ってもこれに尽きるでしょう。8版でのダメージランド引退は多くのプレイヤーを涙させました。代わりに入ったタップインランドの弱い事弱い事・・・。改めてタップインと言うデメリットの大きさを再認識させられました。そんなダメージランドがアポカリプスで登場した兄弟達を引き連れて帰ってきました。これがどのような環境を作り出すかは今更言うまでもありません。単色時代よさようなら、多色時代よようこそ!
道化の帽子
《頭蓋の摘出/Cranial Extraction(CHK)》は非常に強力なカードながら同じ目的のカードを散らされると弱いという弱点を持っていました。しかし道化の帽子ならばそのような弱点はありません。ただ手札から抜く事が出来なかったり、そうでなくとも4枚投入されたカードは完全に排除できなかったりするので過信は禁物です。
流砂
トロンがそこらかしこで暴れている現在のスタンダードではあまり見かける事は無いでしょう。しかし神河ブロック構築のデッキを見る限り、ミラディン引退後のスタンダードでは引く手数多なのは間違いありません。
●既存デッキの戦力変化
まず最初に現在スタンダードで活躍している各デッキがどのような変化をしていくのか考えて見ましょう。
緑単トロン
得たもの:特に無し
失ったもの:特に無し
緑単トロンは特に変化しなかった模様です。ですがこれは「強くならなかった」と考えるよりも「弱くならなかった」と考えるべきでしょう。特にウルザ地形が9版に残った事は多くのトロニストにとって素晴らしい僥倖であると同時に、他のプレイヤーにとっては悪夢でしかありません。
青単トロン
得たもの:《手練/Sleight of Hand(7E)》《道化の帽子/Jester’s Cap(9E)》
失ったもの:特に無し
緑単トロンと並び称されるスタンダードの大本命である青トロンは新たなドローカードとライブラリー破壊を手に入れました。手練は血清の幻視と比べ、掘れる枚数や独楽との相性の点でやや劣りますが、道化の帽子は非常に強力な同系対策カードとなりうるカードと言えるでしょう。ただでさえ強かった青トロンがこれ以上強くなってしまってはもはやどうする事も出来ないかもしれません。
緑単CO
得たもの:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(7E)》
失ったもの:《極楽鳥/Birds of Paradise(8ED)》《すき込み/Plow Under(8ED)》
何一つ失う物のなかったトロンと比べ、かなり悲惨な目に会っているのが緑単COです。極楽鳥の退場はラノワールのエルフの再来を考えればむしろ歓迎すべき事なのですが、すき込みの退場が余りにも痛すぎます。これによってCO得意のパターンだったすき込みハメが出来なくなり、ただの緑単ビートダウンになってしまいました。はたして《忍び寄るカビ/Creeping Mold(8ED)》や《刈り取りと種まき/Reap and Sow(DST)》はこの隙間を埋める事ができるのでしょうか?
青単コントロール
得たもの:《手練/Sleight of Hand(7E)》《連絡/Tiding(9E)》《流砂/Quicksand(VI)》
失ったもの:《集中/Concentrate(8ED)》
青単コントロールもあまり動きは無いようです。たしかに集中は強力でしたが、メタ的にも《呪師の弟子/Jushi Apprentice(CHK)》の方が有用でしたし、《泥棒カササギ/Thieving Magpie(8ED)》も残っています。むしろ青単コントロールにとって最も不運だったのはお客様であるCOの弱体化と、天敵である青単トロンの隆盛ではないでしょうか。流砂の採録はすぐに影響を与えるわけではありませんが、ミラディンが落ちた後のスタンダードではよく見かける事になるでしょう。
黒単コントロール
得たもの:《残酷な布告/Cruel Edict(9E)》《惑乱の死霊/Hypnotic Specter(9E)》《流砂/Quicksand(VI)》《魂の消耗/Consume Spirit(MRD)》《脅迫状/Blackmail(ONS)》
失ったもの:特になし
今回最も多くの僥倖を手に入れたのは間違いなく黒です。《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena(8ED)》や《迫害/Persecute(8ED)》と言った主要カードが何も落ちなかった上に、採録カードが素晴らしく優秀です。残酷な布告は手薄だった序盤の除去カードとして重宝される事が容易に想像できますし、魂の消耗はミラディンが落ちた後の黒を強力にサポートします。脅迫状は地味なカードに見えますが、あの当時と違い今の黒には1マナ圏のカードが非常に枯渇しており、このマナカーブを埋める上で非常に重要なカードになってくる事でしょう。流砂の登場も歓迎すべきです。しかしなんと言っても最大の僥倖は我らがヒッピーこと惑乱の死霊が再録された事に尽きます。暗黒の儀式こそ無いものの、金属モックス経由での2ターン目ヒッピーは多くの対戦相手を震え上がらせる事でしょう。そうそう、緑の弱体化によってアーティファクトが破壊される確率が相対的に減った事は黒にとって非常に喜ばしい事です。
赤単ランデス・バーン
得たもの:《燎原の火/Wildfire(UZ)》《猛烈に食うもの/Magnivore(OD)》《ラースのドラゴン/Rathi Dragon(TE)》
失ったもの:《沸騰/Boil(8ED)》
赤単も非常に強化された色である事は間違いありません。特にランデスデッキは何も失った物が無い上に燎原の火と猛烈に食うものと言う二大スターを手に入れる事に成功いたしました。序盤に出てくるラースのドラゴンも決して侮る事はできません。特に赤単同士のミラーでは往年のプロツアーシカゴを彷彿とさせるような空中の支配を見せてくれる事でしょう。沸騰が沸き立つ海になってしまったのは非常に残念ですが、これも猛烈に食うものを強化するためだとポジティブに考える事も赤単使いには必要なのかもしれませんw
●新入注目カード達の考察
9版では大変動と呼んでいいほどの革新が行われました。ここでは9版に新しく入ってきたカード達の考察をしてみたいと思います。
各種ダメージランド
筆頭はなんと言ってもこれに尽きるでしょう。8版でのダメージランド引退は多くのプレイヤーを涙させました。代わりに入ったタップインランドの弱い事弱い事・・・。改めてタップインと言うデメリットの大きさを再認識させられました。そんなダメージランドがアポカリプスで登場した兄弟達を引き連れて帰ってきました。これがどのような環境を作り出すかは今更言うまでもありません。単色時代よさようなら、多色時代よようこそ!
道化の帽子
《頭蓋の摘出/Cranial Extraction(CHK)》は非常に強力なカードながら同じ目的のカードを散らされると弱いという弱点を持っていました。しかし道化の帽子ならばそのような弱点はありません。ただ手札から抜く事が出来なかったり、そうでなくとも4枚投入されたカードは完全に排除できなかったりするので過信は禁物です。
流砂
トロンがそこらかしこで暴れている現在のスタンダードではあまり見かける事は無いでしょう。しかし神河ブロック構築のデッキを見る限り、ミラディン引退後のスタンダードでは引く手数多なのは間違いありません。
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